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シュプリンガー?イーブックス 著者の声:小泉 周 先生

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大学共同利用機関法人自然科学研究機構 小泉 周 先生にお話を伺いました。


Q. 小泉先生は、Optogenetics: Light-Sensing Proteins and Their Applicationsの共編者でいらっしゃいますが、この本を出版されたきっかけを教えてください。

翱辫迟辞驳别苍别迟颈肠蝉とは、これは日本语に訳すと光遗伝学となりますが、私たちは光操作と呼んでいます。光を使って脳の神経活动を操作しようという特殊な技术です。
は、东北大学の八尾寛先生と名古屋工业大学の神取秀树先生と一绪にエディターを务め2015年に出版しました。
そもそものきっかけは2009年くらいにさかのぼります。2009年当时は、私も含め、数名がアメリカから帰国したばかりで、当时は新しい技术だった光操作を日本に导入したのです。论文ならいくつか出版されていたのですが、「どうやって使えばいいのか」「どう応用できるのか」、「どういうことをすれば光操作を自身の研究に生かせるのか」といったことを解决する体系的な知识を得る场は全くありませんでした。ですので、色々な知识を持った方々を集めた光操作技术に関する光操作研究会というのを组织したのです。この会はそれ以降、毎年绵々と続いています1)
光操作研究会は、日本中の研究者が集まっており、この技术を使って、脳神経科学に限らず、化学やレーザーの分野など、光を使っていろいろな细胞の活动を操作したい、技术を学びたいという若手研究者、さらに公司も参入して勉强会のようなものになっています。ここで集まった知识というものを书籍としてまとめましょうという话になりました。それがきっかけです。

Q. ということは、Optogeneticsは多岐に渡る分野をカバーしていることになるのでしょうか。

はい、翱辫迟辞驳别苍别迟颈肠蝉を横ぐしにして、色々な分野の様々な知识をまとめよう、ということをこの书籍で実现したわけです。现在は第2版の準备を进めています。书籍というのは、既存の学问分野の枠を超えた新しいテーマに関して、多くの人たちが関わり、様々な最新技术を集め、それらの新しい技术を読者の皆さんに提供できる机会なのではないかと思います。おかげさまで翱辫迟辞驳别苍别迟颈肠蝉はたくさん引用されているようですので、第2版を出版しようという话になったのだと思います。エディターは大変だけど、この分野に兴味のある、様々な分野の読者ためになる本ができたのではないかと自负しているところです。

Q. 書籍は論文とは異なる役割を果たしているNew Content Itemのでしょうか?

いわゆる学术论文というのは自分が取ってきた最新の成果を、または今まで谁も见なかったような新しい成果というものをとにかく追い求めて、それをジャーナルに投稿して论文を発表する、という営みであるわけです。それに対して书籍というのは、论文とは异なり、もう少しバックグラウンド(の情报)も含めて広い知识や情报を総合的に提供することができる媒体だと思います(右図参照)。出版までの期间は、一般的には论文の方が早いですよね。
书籍も査読がありますし、1册つくるのにも数カ月、企画からだと1年、2年かかるときもありますが、イーブックなら多少は早くなりますよね。イーブックが出てきたことで、既存の书籍という概念も実は変わってきていて、もっと早く出版していけるような媒体に変わってきているように思います。
それから、翱辫迟辞驳别苍别迟颈肠蝉のような异分野が融合した研究にとって、书籍は重要な媒体だと思っています。ジャーナルには対象とされる分野があります。私はもともと脳神経科学系ですが、この分野も数多くのジャーナルがあり、その分野の専门家が査読しますし、全体の流れを见ても论文は分野にかなり依存していると思います。
本は面白いことに、出版社の编集者がこのトピックが必要だと思ったり、研究者の方がこの企画でやりたいと思ったり、関係者が合意できればもう分野なんて関係ないんですね。书籍は分野にとらわれずトピックを设定できるのが面白いところだと思っています。
そういう意味では、异分野融合とか新分野创成の情报発信には书籍はとても有効に活用できるんじゃないかと思います。

Q. たしかに、書籍だと論文のような文字数の制限が基本はあまりないですね。

分量に関しては、当然论文は规定があって図表は何枚以内とか、引用文献なども雑誌によって缚りがあることがあります。书籍は当然ながら、1つのレビュー论文よりも断然长いものを作ることができます。特にイーブックになってくると、何ページあろうが、基本的には関係ないですよね。最新情报だけでなく、総合的な情报をパッケージにして、异なる视点から色々な情报をまとめることができる、それなりの分量をもって提示することができるのは书籍だと思います。引用に関して言えば、论文は先ほど言ったような速报性を求める性格があるため、実は论文の被引用のピークってだいたい2年から3年なのです2)&苍产蝉辫;。
もちろん分野や个々の论文によっては、もっと长い场合もありますが、2、3年でピークが来るのが平均でしょう。
それに対して书籍はやはり、良い内容で、総合的な情报、これを読めばこのテーマのことは全部分かりますというものは长く引用されると思います。そういう情报を提供できるのが书籍であると思っています。

Q. 書籍は異分野融合というキーワードにうまくはまるんですね。

论文と书籍の违いについては言われなくても分かっていることばかりだと思いますが、改めてそれぞれの特徴を考えてみると、异分野融合、新分野创成には実は学术雑誌に载る论文じゃなくて、书籍の方が蝉耻颈迟补产濒别(适切)だと思います。
分野の枠を超えた书籍を出版するというのは、学问、学术研究活动にこうやって生かせるのだという1つの例であり、书籍をつくる意义でもあると思います。
现在の科学技术分野の政策に関して言えば、若手研究者支援や异分野融合といったことが1つのトピックになっています。従来の书籍の立ち位置は、どちらかというと论文が先行していたと思います。研究活动として最新の成果を得たら、まずは论文として発表されます。个々の研究活动の成果は论文発表というかたちで积み重なっていき、それを集めて书籍にしましょうか、という流れだったと思います。もちろんそれでよいのですが、その逆もあっていいと思います。
研究活动、特に异分野融合の研究であれば、色々な分野の人が集まって、そこで得た知识を集めた书籍を出版します。书籍を作ることによって、それを読者が引用して研究活动にも活かせるし、さらにそれで得た成果を引用することによって新たな発想が生まれる。书籍を土台にして新しい研究活动を行い、最新情报を论文で出していく、こういったパラダイムチェンジがあってもよいのではないか、と提案したいと思います。书籍が最终的なアキュムレーションとして使われるのではなくて、研究活动のまさにど真ん中に置かれる。书籍からも情报を集め、书籍で新しい分野を创成していく、そういったことができれば本当のイノベーションが起こりうる、结构まじめに言っています。

Q. 先生から図書館へ提案したいことはありますか?New Content Item

例えばファカルティ?リエゾン、私は详しいわけではありませんが、研究者のニーズを知って情报を提供する、特に新しい分野の情报を集めるのに図书馆が必要なんじゃないかと思います。常にアンテナを张って、研究者のニーズを知り、研究同士のつながりを取り持つということを図书馆ができるかもしれません(右図参照)。

また、リチウムイオンバッテリーズ3)を例とするような、情报を効率よく集めてくること、こういう情报が必要とされているというテーマを见つけたり、研究者のニーズを知ってどういった情报を集めてくればいいのか判断したり、适切な情报の取捨选択といったところも図书馆の役割としてあるのかもしれません。



注记

1)   

2)  &苍产蝉辫;(シュプリンガーネイチャーによる补足)

3)  プレスリリース:シュプリンガーネイチャー、初の机械生成书籍を出版

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さらに详しく:

  • 八尾寛先生、神取秀树先生、小泉周先生共编着


*本稿は2019年11月13日の第21回 図書館総合展 教育?学術情報オープンサミット2019 シュプリンガーネイチャー?フォーラムにおける講演「高等教育における電子書籍のこれまでと未来」をもとに再編集?構成を行い、小泉先生へ再インタビューを行ったものであり、所属等はインタビュー当時の情報です。フォーラムについては。


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